★★★ファイルNO,10 命を繋ぐドラマ ★★★
沖永良部島の海には当たり前に居すぎて・・・あまりクローズアップされずに、モンツキカエルウオに比べると人気はかなり差があった、ベニツケタテガミカエルウオ。個体毎の色の違いや愛くるしい顔など、もっと人気があってよさそうな物なのだが。。。
カエルウオだから繁殖方法はどうなんだ?卵は?モンツキとかと一緒?疑問を持ちだし調べてみると、これがなかなか手ごわい・・・
穴の中で首を振る特徴が人気のモンツキと比べると何倍も臆病で、まず穴でじっとしている事などない、目が合ってカメラを電源を入れるとすぐさま隠れる。。。繁殖や、卵なんて到底見つけられない神秘のベールに包まれたカエルウオである事が分かった...
調べ出してから数年経った時、婚姻色の個体を見つけよく観察すると、同じ穴で仲良くカップリングしている。『そうだったのか?モンツキと同じで良かったのか・・・』見つけた感動と“同じ・・・”という事実を確認して、次の目標は卵の確認へと移って行く。。。
臆病ですぐに引っ込むベニツケタテガミカエルウオが引っ込まない・・・“これか!” 当たり前ながら親の愛は素晴らしく、必死に卵を守る姿は感動すら覚える。
幾度となく卵を守る姿を確認し、ついに卵が何日位で孵化するか、そして孵化後、何日位で新たに産卵するのかが分かった!卵はクマノミ卵の目玉とは、また違い、笑い顔のような楽しささえ感じるデザインで卵からもカエルウオ系の愛嬌のある表情が垣間見れる。
魚の世界では、成魚になる確率が低い生物ほど沢山の卵を産む、そして一つでも多くの命を繋いでいく為に、1年間で何回も産卵する。何度も何度も何百も産むからといって決してほったらかしではない。巨大なダイバーが近付き怖い思いをしても必死に卵を守る。そんなベニツケタテガミカエルウオの勇敢な姿を見ながら『頑張って育てなよ!』と小さく語りかける。
命を掛けて命を繋ぐドラマ・・・ 沖永良部島の海で日々放映中